復興に向けた市長メッセージ

公開日 2024年03月01日

更新日 2024年03月01日

はじめに

 まずは、この度の震災によりお亡くなりになられた102名の方々に対しましてお悔やみを申し上げますとともに、被災者の皆様に対しまして心よりお見舞いを申し上げます。

 1月1日の発災以来、国や石川県、全国の自治体の皆様、国民の皆様の絶大なるご支援を賜りながら、復旧作業に全力で取り組んでまいりました。

 この間、ご支援を賜りました関係各位に対しまして、輪島市民を代表して厚く御礼申し上げる次第であります。

 さて、17年前の能登半島地震をはるかに上回る未曽有の大震災により、復旧の道筋すら見えない壊滅的な状況の中ではありましたが、2月3日には仮設住宅の入居が始まるとともに、市内のライフラインの復旧にも見通しが立ちつつあり、なんとか復興へのスタートラインに立てたのではないかと考えております。

 これから、道路や港湾などのインフラの復旧が本格化してまいりますが、一方では、2か月が経った現在も、朝市通り周辺の大火や多くの家屋の倒壊などにより、被災者の皆様の日常生活や地域に活力をもたらす生業が壊滅的な状態のままであることも事実であります。

 そこで、本日ここに、私を本部長とする輪島市震災復興対策本部を設置し、「被災者の生活再建」、「地域を支える生業の再興」、そして「新たなまちへの再生」を3本の柱とし、3年後には再び市民の皆様がこの輪島で安心して過ごすことのできる活力に満ちた日常を取り戻せるよう、復興へ向けて歩み出すことを宣言いたします。

 

くらしの再建

 まず、「被災者の生活再建」といたしまして、互いに支え合い、強い絆で結ばれた暮らしができるよう、住まいの自力再建に対する支援や災害公営住宅の建設、医療・保健・福祉・教育等の充実などにより、より豊かな日常生活の確保を目指します。

 当面の取り組みとしましては、現在、急ピッチで建設を進めている応急仮設住宅への入居です。被災者の皆様方の避難生活を一刻も早く解消し、落ち着いてゆっくりと今後の生活や住まいの再建方法について考えることのできる環境を整えてまいります。

 また、地域の宝である子どもたちが輪島で学ぶことができるよう、小学校の仮設校舎を建設するなど、教育環境を整えてまいります。

 

なりわいの再興

 次に、「地域を支える生業の再興」といたしまして、輪島朝市をはじめとする観光業や、輪島塗に代表される漆器業、輪島の食文化を支える漁業や農林業など各種産業の復活により地域活力の創出を目指します。

 当面の取り組みとしましては、1次産業である農林水産業において、被災した農機具・施設や漁船・漁具などの復旧事業へ最大限の支援により、農林漁業者の自己負担軽減を図るとともに、漆器産業においても伝統的工芸品産業支援補助金に対し、補助率を上乗せするほか、輪島塗職人が早期に事業再開できるよう仮設工房を建設することにより基幹産業の再建を図ってまいります。さらには、中小企業・小規模事業者の方々に対しましても、小規模事業者持続化補助金での補助率上乗せのほか、輪島朝市の再開に向けての支援や仮設商店街を整備するなど事業者の再建を支援してまいります。また、日本の農業の象徴的な存在であります白米千枚田がかつての姿を取り戻すための取り組みも進めてまいります。

 

新たなまちへの再生

 「新たなまちへの再生」といたしまして、多様な世代が未来に向かって安心して生活できるよう、公共インフラ等の環境整備をはじめ、区画の再編など住みよいまちづくりのための都市基盤を整備することにより災害に強い安全安心なまちへの転換を目指します。

 まちの再生におきましては、災害に強い道路や上下水道等の整備は不可欠であり、都市機能の充実によって地域課題に対応したまちづくりを進めてまいります。

 また、日本海に大きく突き出した能登半島の先にある輪島は、古くから日本海交流の拠点として栄え、現在も避難港として整備が進められている輪島港の機能回復なくして輪島の再生はありません。今回の震災被害があまりにも大きく、復興には多くの時間を要するところではありますが、観光をはじめ地域経済に重要な役割を果たす人・モノ・情報の交流拠点の整備を図り、未来にわたって安心して住み続けられる輪島を創ってまいります。

 

結びに

 これら3つの柱を実現するため「復興まちづくり計画」の策定に着手し、国や石川県、関係機関からのご支援も頂戴しながら、「もとよりもっと 新・輪島」のスローガンのもと、私自身が先頭に立って、全身全霊をかけて輪島の復興に取り組んでまいります。

 最後に、私から被災者の皆様にお願いを申し上げます。

 輪島が復興を遂げるその日まで、共に未来を信じて希望を持ち、諦めることなくこの難局を乗り越えていきましょう。

 

令和6年3月1日 輪島市長 坂口 茂

 

復興計画策定に向けて

基本理念(スローガン)

『もとよりもっと 新・輪島』

 

基本方針(3つの柱)

被災者の生活再建(暮らしの目標)

 互いに支え合い、強い絆で結ばれた暮らしができるよう、住まいの自力再建に対する支援や災害公営住宅の建設、医療・保健・福祉・教育等の充実などにより、より豊かな日常生活の確保を目指します。

地域を支える生業の再興(産業の目標)

 輪島朝市をはじめとする観光業や輪島塗に代表される漆器業、輪島の食文化を支える漁業や農林業など各種産業の復活により地域活力の創出を目指します。

新たなまちへの再生(まちの目標)

 多様な世代が未来に向かって安心して生活できるよう、公共インフラ等の環境整備をはじめ、区画の再編など住みよいまちづくりのための都市基盤を整備することにより災害に強い安全安心なまちへの転換を目指します。

お問い合わせ

企画振興部 復興推進課
TEL:0768-23-1113
FAX:0768-22-9220